ただめしを食べさせる食堂が今日も黒字の理由 小林せかい まとめ

読書 集客できる社長の本棚

「未来食堂」のオーナーシェフ、小林せかいさんが書いた本です。私にとって3冊目のせかいさんの本です。他2冊よりもより具体的で詳細に「未来食堂」の仕組みが書かれています。飲食店をオープンしたい方には特におすすめですが、それ以外の起業家の方にも考え方やアイデアの出し方など参考になる部分はあると思いました。

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広告なしの「未来食堂」がいつも黒字な理由

「未来食堂」は、チラシを配ったり折り込みチラシを入れたりポスティングしたりは一切していません。ただしオープン当初からメディアに取り上げられたため、自動的にPRできてしまったようです。でも実際には、せかいさんは運よくメディアに取り上げられた…というわけではないようです。「未来食堂」が印象的なコンセプトとシステムのある飲食店だということと同時に、せかいさんはある行動をしています。

そのある行動とは、前職のクックパッドのエンジニア時代に、せかいさんは会社の社員のためにランチを作っていたそうです。そんなシステムはなかったのですが、自らランチがほしい人を募って始めたとか。そこで、まず評価を得ているのです。

そして、退職するときにまだ場所も日にちも決定していないのに、「食堂をオープンします」と名刺の裏に書いて会社の人たちに配ったそうです。

大事なのは、行動だと思いませんか?

プレスリリースなしでメディアが殺到する「未来食堂」の謎

テレビやフリーペーパー、新聞などに取材され記事にしてもらうには、「プレスリリース」という文書を送らなければなりません。プレスリリースの書き方はこの記事

ところが、せかいさんはプレスリリースを書いていないようです。ではなぜオープン当初からメディアの取材が来たのでしょうか?それは、お店のコンセプトがとてもユニークだからです。メディアは常に「面白い」素材を探しているのです。

「未来食堂」のユニークさは

1.まかない制度

誰でも1回最低50分店の仕事を手伝えば、「まかない」が1食無料というシステムです。飲食店で働いた経験がなくてもOKだそうです。

2.あつらえ制度

夕食に1品400円でお客さんが食べたいものを作るというサービス。冷蔵庫のストックをリストにしてそこから食材や調理法を選んだり、その時の気分を聞いて作るそうです。

3.さしいれ制度

ドリンクは麦茶と日本酒1種しか置かず、お客さんは好きなドリンクを持ち込めます。ただし、持ち込んだ量の半分は他のお客さんにおすそ分けすること。お客さんは他の人が持ってきたドリンクを無料で飲むことができます。

どうですか、とってもオリジナルな発想です。私が凄いなと思うのは、ただ奇をてらって考え出されたシステムではないという点です。せかいさんが感じる理不尽さや不便さを追求して生まれた仕組みです。

あなただけのアイデアを形にする

どうやったら、こんなインパクトのあるアイデアが生まれるのでしょうか?本書でせかいさんは述べています。

1.息苦しさを見つめ続ける か、情景を詳細に想像する

〇〇が世間一般で問題だから解決するために、これをしよう…という考え方ではなく、あなた自身が困っていること、不便だと感じていることを追求し、だからこれをしよう!というやり方のほうがブレないと書かれています。

でもある限られた範囲の中でアイデアを出さなければならない場合は、事細かく情景を想像してリアルに近づけます。

2.1枚の絵になる

その作業をしていると、やりたいことが1枚の絵になって表れるそうです。

3.現実に落とし込む

描いた絵が実現不可能と思われても諦めないこと。「ならどうしよう」と考えます。真新しさだけのアイデアは上手くいきません。あるもので無理なく、とにかくやる方向で!

特にこれから起業しようとしている方に、読んでもらいたい本です。

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