少し前までのPR、広報活動とは、マスメディアを通して企業、商品、サービスを世間に広めることでした。若い世代のテレビ離れや新聞の購読者の高齢化が進む今、PR、広報活動はどのように変化してきているのでしょうか?
PR、広報の成果はメディア掲載?
テレビ、新聞、雑誌、本、ラジオなどをマスメディアと言います。マスは大衆、メディアは媒体を意味します。消費する世代は限られてきているものの、依然としてマスメディアは力を持っています。テレビ番組で取り上げられると一気に認知が上がるというのは皆さんご存知だと思います。
だからやはりPR、広報の仕事の一環として、マスメディアに取り上げられるための活動は大切です。地方の小さな町で作られるチーズケーキが、テレビ番組で取り上げられた日から売上が100倍…などという夢物語のような話も可能になります。
ところが、新聞の購買数、テレビの視聴率が減ってきている今、PR、広報の仕事はマスメディア掲載だけにとどまりません。
ファン作り、育成もPR活動
現在のPR、広報の仕事は、マスメディアへの掲載によって企業、サービス、商品の認知を高めるだけでなく、企業が自ら情報を発信してファンを作り、育成していくことが重要視されています。そのためのツールとしてHPはもちろん、ブログ、FACEBOOKやTwitter、インスタグラムなどのSNS、場合によってはYoutubeなどの動画が使われます。
自社メディアの良い点、悪い点
自社でSNSなどを駆使して発信していくことは今の時代、必須です。なぜなら今はインターネットを使って誰でも情報を発信できる時代。使わなければ世間の目に触れる機会が少なくなります。いくらいい商品を販売していても口コミだけでは広がらず、マスメディアだけでは一過性で終わることもあります。
自社で情報を発信していくベネフィットは、知ってほしいことを発信できる点です。マスメディアに取り上げられる場合、期待外れな取り上げられ方をすることも考えられますが、自社のメディアでは、見せたいように見せられるのです。とはいえ最も大切なのは、一方的ではないコミュニケーション。企業からのお知らせが綴られるばかりのSNSでは、ファンはつきません。
自社メディアの欠点は、仕事量が増えるという点です。やみくもに何かしら発信すればいいというものではなく、しっかりとしたブランディングのもと共感を集める情報を発信しなければなりません。例えば1人で事業を行っている場合、なかなか大きな負担になることも考えられます。そういう場合はPR会社やフリーランスの広報を使って見るのもいい案だと思います。
多様なファン作り、ファン育成の方法
SNSで発信していくこと以外にもファン作り、ファン育成の方法はあります。現在はコロナウィルスのためリアルでのイベントは控える傾向にありますが、新商品の発表会や、試作品の意見交換会、工場見学など企業が消費者と直接コミュニケーションを取り、消費者経由の情報発信によっても認知を高めていく活動が行われています。