人が行動する心理が分かる1冊です。ダイレクト出版さんの講座でも必読としてお勧めされた本だったと思います。広告を作るために知らなくてはならない人の心理について書かれています。「そうそう!」どうしてもそうしてしまうわ…。ということだらけで、広告の作り手としてではなく第3者的に読むとちょっと怖くなってきました。悪質なセールスから身を守る方法も説明されています。例えばどんな心理的メカニズムがあるのか紹介してみます。
貰ったら返さなきゃの返報性
人は何かを貰ったらお返しをしなきゃと思ってしまいます。
たとえ貰ったものが欲しくないものだとしても。お返しをしなければ嫌われてしまうと思うからだそうです。冷静に考えると、「欲しくもないものを貰ってお返しをしなかったら嫌われるくらいなら、嫌われていいんじゃない?」と思うのですが、実際には無意識のうちに嫌われることを恐れてお返しについてあれこれ考えているような気がします。
これを読んでくださっているあなたはどうでしょうか?
こんなセールス方法があります。
最初にある商品を勧めます。→断られます。→最初の商品より少し安いものを勧めます。
そうすると、購入率がぐんと上がります。なぜなら、断って申し訳なく、目の前のセールスマンに嫌われるのが嫌で(無意識に)、“譲歩”をもらったので、お返しとして買いやすい方を買ってしまうというカラクリ。
厳しい現実には目をつむってしまう コミットメントと一貫性
一度決めたことに矛盾のない行動をその後も行いやすいということ。人は考えることによって厳しい結果が生じると分かっているとき、考えることをやめてこれまでと行動を行うそうです。例えば仕事の場面など、嫌いな作業もしなければならないと決まっていると思い、毎日淡々とこなしている人は多いのではないでしょうか?
この本では、やりたくないと分かっていることを受け入れると、みぞおちの辺りが固くなるので、その際「過去に戻れたとしても、この選択肢をとるか」考えてみましょうと提案されています。
その他大勢にならってしまう 社会的証明
社会的証明とは人がある状況で、何を信じるべきか、どう振る舞うべきかは、他の人々の行動によるということです。
簡単に言うと、その他大勢の行動に従ってしまいますよね、ということ。講演やコンサートなどで、誰かが拍手をし始めると拍手をするつもりがなかったのにしてしまうことがありませんか?間違った証明に流されないように、敏感でいることが大事です。
好きな人の意見には従ってしまう 好意性
人は自分が好意を感じている知人に対してイエスと言ってしまう傾向があります。
そのため女性にはイケメンが、男性にはきれいな女性が販売担当とされる場合があります。
また、美男美女でなくても人は自分と似た人に好意を抱くということも証明されています。なので、買いたくないものを売りつけられるのを防ぐためには、美男美女のセールストークに乗せられないようにするだけでなく、自分と似たようなステイタスの人にも気を付けたいものです。
また、お世辞は好意性を高めるということも知られています。やたらと褒めてくる人にも要注意。相手に対する自分の過度の好意に敏感になりましょう。要請のメリットだけを考えて冷静に決定してください。
自分より上の人には逆らえない 権威
残念ですが人は権威のある人からの要求に服従してしまいます。
肩書きや服装、装飾品の3つで権威を表すと承諾を得やすいとされています。ロレックスの時計をすることを勧められているお話を聞いたことがありますが、それはこの心理作用に基づいたものだったのですね。要請者が本当に権威のある専門家なのか、誠実さなどを見ることが大事だと書かれています。
残りわすか!の言葉に弱い 希少性
これは、私が書く広告でもよく使います。限定〇個、残りわずか、〇月〇日までご購入可能など…。“数量限定”と“最終期日”が並ぶと人は弱いです。冷静になって、なぜそれがほしいのか考えてみましょうというアドバイスです。
6つの心理をこうしてまとめてみると、人って意外と単純だなと思います。悪質なセールスにはひっかからないよう気をつけつつ、見込み客を惹き付ける広告を作っていきましょう。